« 妊娠と不妊のしくみ | メイン | 不妊検査で分かること »

不妊症の原因

では、不妊の原因について少し詳しく説明しましょう。まず、女性の排卵に障害がある場合ですが、卵子がちゃんと育たない無排卵、月経周期が35日以上となる遅延排卵、卵子ができすぎたり全くできなかったりする多嚢胞性卵巣症候群、卵子は育つが排卵しない黄体化非破裂卵胞症候群、があります。これらは不妊の原因の10~25%を占めます。排卵障害は、視床下部のホルモンの障害によるところが大きく、治療もホルモン治療が行われるケースが多くあります。

次に卵管の障害については、卵子が通過することが全く不可能な場合と、通過しにくいだけの場合があります。原因は性感染症や子宮内膜症などによる、卵管癒着が主なものです。卵子が卵管を通過できる方法を考え、治療します。子宮の障害は、主に着床障害です。卵子が精子と受精すると、卵管内で細胞分裂を繰り返しながら子宮の中に到着します。受精卵は子宮内膜に接触し密着、やがて胎盤ができて着床しますが、この過程で何らかの障害があると受精卵は着床せず、妊娠が成立しません。原因は主に子宮内膜症や子宮内のポリープなどですが、黄体ホルモンや卵胞ホルモンの分泌が影響している場合もあります。

子宮頚管の障害は、大部分が頚管粘液(おりもの)の問題です。ホルモン異常などにより、頚管粘液の分泌が少なかったり、精子を元気に生かしておけなかったりするのが原因です。この場合は人工授精が主な治療法となります。他に免疫性不妊は、女性の体にとっては異質な存在である精子に対して「抗精子抗体」が女性の体内にできてしまう障害です。抗精子抗体は精子を見つけると攻撃し、精子の働きを弱めてしまうので、妊娠が困難となるのです。抗体を弱める治療法がとられていましたが、時間がかかり効果が薄いことから体外受精に進む場合が多くなっています。

男性不妊の90%を占める原因が、造精機能障害です。精巣で作られる精子がうまく作られない障害です。障害の段階は、精祖細胞が存在しないもの、分裂時に分化を停止するもの、精子細胞は作られるが少ないもの、となります。段階によって精子の提供を受けたりホルモン治療などが行われます。他に、精子は作られているがそれを運び出す通路が閉鎖されているのが輸送路通過障害です。手術で精管をつなぐなどの治療が行われます。射精障害は、いわゆるインポテンツと脊髄損傷や逆行性射精による射精障害に分けられ、それぞれにあった治療法が用いられます。

About

2009年06月05日 17:33に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「妊娠と不妊のしくみ」です。

次の投稿は「不妊検査で分かること」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35