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020不妊検査と治療準備 アーカイブ

2009年06月05日

不妊検査前のチェック

病院での検査の前に、自分で確認しておける事柄について説明します。まず、基礎体温は約1ヶ月程度、体温を測ってデータを持っていくようにするとよいでしょう。どうしても1ヶ月分なくてはならないというわけではありませんので、早く受診したい状況の時は基礎体温を持参しなくても構いません。基礎体温は婦人体温計を使い、朝布団の中で(動き回る前に)測るようにします。その都度グラフに体温を記入するようにすれば、手間や間違いも少なくなります。

不妊治療では、排卵日や排卵の状態が大きな鍵になりますので、自己チェックで排卵日の目安をつけられると治療に大いに役立ちます。チェック方法の一つは頚管粘液を指にとって伸ばしてみる方法です。排卵期の頚管粘液はす~っと伸びが良くなります。また、市販の検査薬を使って判断する方法もあります。尿を試験用のスティックにかけて、スティックの色の変化で尿中の黄体化ホルモンの分泌を調べます。市販薬の説明書をよく読んで、排卵日の目安をつけてみてください。

他に、ここ数ヶ月の月経の状態や体重変化なども確認しておくといいでしょう。不妊の原因を想定するのに、月経の状態は大変参考になるからです。2~3ヶ月分の月経の日付け、月経が不順か規則正しいか、月経痛は強いか、周期は何日か、経血の量の多少などをまとめておきます。また、急激なダイエットや過食などによる極端な体重変化があると、ホルモンバランスのくずれを伴う場合が多いものです。最近の体重の変化についても把握しておくようにしましょう。

婦人科系の病気の疾患歴も、時期と治療経緯をきちんとまとめておきましょう。婦人科以外の治療中の病気についても同様です。また、中絶手術を受けたことがある、性感染症にかかった事がある、などのあまり言いたくないような事柄も、時期や治療経緯をはっきり伝える必要があります。医師や看護士には守秘義務がありますから、安心して伝えてください。他に、冷え性などの体質があれば伝えたほうがよいので、まとめておきましょう。

病院の探し方、選び方

不妊治療のために病院へ行こうと決心したものの、いったいどこの病院へ行けばいいのか、誰でも最初は迷うものですね。産婦人科には大きく分けて総合病院や大学病院の産婦人科と、個人病院の産婦人科があります。どちらの病院にするにしても大切なポイントは、不妊治療に力を入れて取り組んでいるかどうかという点です。外来の中で「不妊外来」など別枠を設け、専門的な治療を行っているかどうかを確認しましょう。最近では不妊専門病院もありますので検討してみてください。

不妊治療は必ずしも入院が必要な治療ばかりではありません。最近は体外受精なども外来で受けられるシステムが浸透してきており、入院設備がない病院も増えています。入院設備の有無を確認しておきたい人は、ぜひ聞いておきましょう。入院設備がない場合は、どのような対処をとっているのかも確認しましょう。なお、不妊治療の費用の保険適用については、それぞれの治療内容によって違いがあり、各病院に判断が任されている状態です。どのような治療が保険適用になるのか、大体の目安を聞いてみて病院選びの参考にすることをお勧めします。

不妊治療を始める時、女性は産婦人科、男性は泌尿器科を受診するのが一般的です。産婦人科、泌尿器科がそれぞれ連携や紹介をしあって治療を進めいていきます。そのため、双方の病院があまり遠くないほうがよいでしょう。それぞれに提携している病院を聞くこともお勧めです。最近では、少数ですが不妊専門病院などで男性も女性もどちらも診るというスタイルをとっているところもあります。

病院を選ぶには、本やインターネットの情報、口コミ、地域情報など、たくさんの情報を集めた上で選ぶようにしてください。自分が大事にしたいポイントは何かを書き出して、それをできるだけ叶えてくれるような病院を選びましょう。そして興味の持てる病院があったら、一度受診してみることをお勧めします。また、病院との相性もありますから、何回か通ってみてしっくりこないようなら、勇気をもって病院を変えることも大切です。不妊治療は長丁場になることが考えられますので、自分に合った病院を探すことがとても大切です。

不妊検査の内容

産婦人科では不妊治療であっても、まずは一般検査を受ける事が必要になります。身長、体重、血圧などを測り、採尿で尿タンパクや尿糖の有無を調べます。採血により貧血、風疹、HBs抗原(B型肝炎の感染)、HCV抗体(C型肝炎の抗体)、CA125(子宮内膜症の有無)、HIV、トキソプラズマ、梅毒、などを調べます。他におりものや子宮頚管または膣の細胞を調べ、子宮頚ガンや子宮体ガンの有無、性感染症・クラミジアなどのチェックをします。そして医師による問診や内診、触診、腟鏡検査、超音波検査が行われます。以上が産婦人科の一般検査です。

では不妊治療の検査について、卵胞期(低温期)の検査から説明しましょう。卵胞期には卵子が成長し、排卵されるためのホルモンが分泌されますので、その分泌量を測定し、卵子が正常に成長し排卵されているかどうかを調べます。黄体化ホルモン、卵胞ホルモン、細胞刺激ホルモンなどの値が測定されます。他に超音波検査では卵胞の状態を、子宮卵管造影検査では卵管の通り具合を調べます。卵管の具合を見るための検査は他に通水・通気検査もあります。また子宮鏡検査では子宮筋腫やポリープの有無が調べられます。

排卵期の検査は、まず超音波検査で卵胞の大きさを測定します。排卵日を予測し、タイミング指導に生かすためです。また、尿検査で排卵に必要なホルモン(黄体化ホルモン)が分泌されているかどうかも調べます。次に、排卵前には子宮頚管粘液が滑らかになりますので、粘液の状態を調べます。また、性交後の子宮頚管粘液の状態を調べるヒューナーテストもこの時期に行います。

黄体期(高温期)は排卵後から次の月経までの時期です。この時期に超音波検査で排卵が起こったかどうかを、ホルモン検査で受精卵がちゃんと着床しそうかどうかを調べます。また月経時には、脳下垂体と卵巣がうまく連携して排卵を行うようにしているかどうかを調べるLH-RH検査と、潜在性プロラクチン血症かどうかを調べるTRH検査を行います。月経期には他に、結核菌の有無を調べる月経血培養検査や、男性の精液検査などを行います。

男性不妊の検査

現在では、不妊の原因の約半数が男性不妊とも言われています。男性不妊の検査について説明しましょう。男性は泌尿器科や産婦人科などで検査を受けます。まず、問診によって性欲や勃起、夫婦生活のことなどが聞かれます。答えにくい質問もあるかと思いますが、大事なことなので正直に答えるようにしてください。次に視診、触診により、精巣の大きさや堅さなどを調べ、精巣や精管、前立腺などを診察します。この段階で精索静脈瘤などの病気が発見されることもあります。

男性不妊検査ではほとんどの場合、精液検査が行われます。マスターベーション等で精液を採取し、精子の数、運動率、奇形率などを調べます。精液の状態は体調によって変わりますので、平均で2回位検査をする病院が増えているようです。病院で採取する方法と自宅で採取して病院に持って行く方法があります。できるだけ鮮度の高い精子で検査をしたほうがよいのですが、病院で採取なんてできないという人は、自宅採取でもいいか病院に確認してください。採取した精液の数値を正常精液の基準と比較して、その結果に応じて乏精子症や精子無力症、無精子症などの診断が出されます。

精液検査の結果により、必要な場合はホルモン検査や染色体検査が行われます。精子は、卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンが精巣に働きかけて作られます。そのため、血中のホルモン濃度を調べることにより、精巣の状態を把握することができます。また、男性不妊の2~3%に染色体異常が見られるため、血液中のリンパ球を培養して染色体異常の検査を行います。

精液検査の結果、高度乏精子症、無精子症などの診断が出た場合、精巣の検査も行います。これを「精巣生検」といいます。陰嚢に麻酔をして1cmほど切開し、精細管の組織を少量採取します。組織の中に精子がいるかどうかを調べ、もし見つからなければさらに左右の精巣から組織を採取し、精子の有無を調べます。また、精子が正常に作られているのに精液中に精子がいない場合は、精子の通る道の通過障害が疑われるため、精管精巣造影検査を行います。精管に造影剤を入れてX線で撮影します。

不妊検査にかかる費用

不妊治療にかかる費用は、「検査の為の費用」と「治療の為の費用」に分けられます。「治療の為の費用」は高額になることがあるため、不妊治療は高いというイメージが定着してしまっているようです。「検査の為の費用」は保険が適用されそれほど高額ではないものもありますが、ホルモン検査などは保険がきかないため、高額になってしまいます。また、超音波検査などは周期毎に何回も行う必要があるため、1回あたりの費用は低くても、結果として高額になってしまう傾向にあります。

検査の費用に関しては、保険が適用されるものとされないものがあります。またその人の症状や検査の時期などによって保険が適用される場合とそうでない場合があり、保険適用される検査とそうでない検査を、単純に線引きすることはできません。また、保険適用されない検査については、費用の設定は病院に任されています。以下に平均的な検査費用を記しておきますので、あくまで目安として参考にしてください。

ホルモン検査 約15,000円前後(保険不適用の場合)
精液検査 約 3,000円前後(泌尿器科の場合は数百円)
超音波検査 約 1,500円前後
(保険適用の場合。不適用の場合は4~5,000円程度)
子宮卵管造影検査 約5,000円前後(保険不適用の場合)

自費検査・診療の金額については、それぞれの病院が独自に定めることができるため、通院する病院によって、検査費や治療費に大きな違いが生じることも否めません。国立病院などは検査・治療ともにかなり低料金に抑えられています。また大学病院(国公立)なども保険が適用されるケースが増え、自費負担となる検査でも金額は低めに設定されています。個人病院や専門病院などでは、自費負担が大きいところもありますので確認が必要です。

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