現在では、不妊の原因の約半数が男性不妊とも言われています。男性不妊の検査について説明しましょう。男性は泌尿器科や産婦人科などで検査を受けます。まず、問診によって性欲や勃起、夫婦生活のことなどが聞かれます。答えにくい質問もあるかと思いますが、大事なことなので正直に答えるようにしてください。次に視診、触診により、精巣の大きさや堅さなどを調べ、精巣や精管、前立腺などを診察します。この段階で精索静脈瘤などの病気が発見されることもあります。
男性不妊検査ではほとんどの場合、精液検査が行われます。マスターベーション等で精液を採取し、精子の数、運動率、奇形率などを調べます。精液の状態は体調によって変わりますので、平均で2回位検査をする病院が増えているようです。病院で採取する方法と自宅で採取して病院に持って行く方法があります。できるだけ鮮度の高い精子で検査をしたほうがよいのですが、病院で採取なんてできないという人は、自宅採取でもいいか病院に確認してください。採取した精液の数値を正常精液の基準と比較して、その結果に応じて乏精子症や精子無力症、無精子症などの診断が出されます。
精液検査の結果により、必要な場合はホルモン検査や染色体検査が行われます。精子は、卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンが精巣に働きかけて作られます。そのため、血中のホルモン濃度を調べることにより、精巣の状態を把握することができます。また、男性不妊の2~3%に染色体異常が見られるため、血液中のリンパ球を培養して染色体異常の検査を行います。
精液検査の結果、高度乏精子症、無精子症などの診断が出た場合、精巣の検査も行います。これを「精巣生検」といいます。陰嚢に麻酔をして1cmほど切開し、精細管の組織を少量採取します。組織の中に精子がいるかどうかを調べ、もし見つからなければさらに左右の精巣から組織を採取し、精子の有無を調べます。また、精子が正常に作られているのに精液中に精子がいない場合は、精子の通る道の通過障害が疑われるため、精管精巣造影検査を行います。精管に造影剤を入れてX線で撮影します。